第2次トランプ政権始動~台湾問題のゆくえは?

第2次トランプ政権始動~台湾問題のゆくえは?


第2次トランプ政権が始動してから2か月近くが経ちました。トランプ新政権は、2025年2月4日に中国からの輸入品に10%の追加関税を発動。さらに3月3日には、新たに10%の追加関税を課す大統領令に署名しました。これにより、中国からの輸入品に上乗せされる関税はあわせて20%となる見込みです。中国も対抗措置を取るなど、新政権発足直後から米中両国の経済や貿易を巡る緊張が高まっています。

米中の対立を巡っては、中国が「核心的利益中の核心」と位置づける台湾問題のゆくえが大きな注目の一つとなっています。トランプ大統領は、対中強硬的な姿勢をみせる一方で、これまで台湾の防衛に対しては消極的とも取れる発言を繰り返しており、トランプ氏の台湾問題を巡る言動に注目が集まっています。

<トランプ氏の台湾を巡る主な発言>

(「もし大統領になったら、中国と戦闘になっても台湾を防衛するのか?」と聞かれたのに対し)「交渉の立場を弱めるので明らかにしない」「台湾は我々の半導体産業を奪った」
(2023年7月 米Foxニュースのインタビュー)

「台湾は米国の半導体産業のほぼ100%を奪った」「台湾が米国内で半導体を作るのに米国は数十億ドルを与えている。台湾はそれを持ち帰るつもりだ」
「(軍事支援に関連し)我々は保険会社と変わらない」「台湾は防衛費を負担すべき(中略)台湾は我々に何も与えていない」「台湾は(米本土から)9500マイル離れている。中国からは68マイルだ」「(米国が中国の攻撃から台湾を守ることは)非常に困難だ」
(2024年7月 米ブルームバーグ通信のインタビュー)

(中国が台湾周辺で実施した軍事演習を巡り)「彼らが今、それをやっている理由は、その後はそれをやらないからだ」
(2024年10月 米ブルームバーグ通信のインタビュー)

「私は(習近平氏に)『もし台湾に行くというのなら、すまないが150%から200%の税金をかけることになる』と言うだろう」「私は彼(習氏)と非常に強い関係を築いていた」「彼(習氏)は私を尊敬しており、私が著しくクレイジーであることも知っているので、私が(軍事力を使う)必要はないだろう」
(2024年10月 米ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビュー)

中国が台湾に武力行使した場合の対応を巡り「そのことについては決してコメントしない」「そのような立場に身を置きたくない」(2025年2月 ホワイトハウスで記者団の質問に)

(各種報道等よりコントロール・リスクス作成)

2月の石破茂首相とトランプ大統領との日米首脳会談では、会談後の共同声明で「台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を強調」するなど、就任後、これまでのところトランプ氏から台湾問題について歴代米政権と異なる立場を示す発言はみられていません。その一方で、トランプ氏が台湾問題を中国との「ディール」の材料に使うのではないかとの見方は根強くあり、今後もトランプ氏の発言からは目が離せない状況が続きます。

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