事業継続の観点から見た中国企業の「利益相反」マネジメント

事業継続の観点から見た中国企業の「利益相反」マネジメント


【本記事のサマリ】

  • 「利益相反(Conflict of Interest)」は法律やコンプライアンス上だけの問題ではなく、事業継続に関わる重大な問題。
  • 近年新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済不況により、「利益相反」問題が複雑化。
  • 事業継続のリスクをタイムリーに評価し、リスク軽減計画を策定するための情報調査に注力することが求められる。
  • 事業継続の観点から、管理体制や業務プロセスなど組織のシステム上の問題を特定し、プロセスやガバナンスを改善する対応が重要。

 

「ある外資系グループが現地法人を買収し、元の経営者を残しましたが、 その後2年間は業績を大きく伸ばすことはできませんでした。 後日、買収の早い段階で、元の経営陣が自ら設立した新会社に資源や事業を移していたことが明らかに…。」

「ある企業のエリア営業部長は、家族や友人を通じて複数のディストリビューターを設立。特別価格取引によってより多くのビジネスを獲得できるようにし、ディストリビューターからキックバックを受け取っていた…。」

「ある企業の購買担当者が、地位を利用して、サプライヤーからキックバックを受け取っていることが明らかに…。」

 

上記は、いずれも「利益相反(Conflict of Interest)」問題にあたるケースです。自社は問題はないと思っていませんか?コントロール・リスクスの調査によると、中国で10年以上事業を展開している企業は、75%以上の確率で未検出の利益相反問題が存在することがわかっています。

近年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済不況により、利益相反問題が複雑化しています。 中国で事業展開をしている、ある多国籍企業では、現地の支店長が他の幹部と結託、経営資源を使い果たし事業継続が困難になったケースも起こりました。過去には、中国でビジネスをするには一定の利益相反はやむを得ないと考える企業も多くありましたが、このような観点から、利益相反は法律やコンプライアンスの問題だけでなく、事業継続に関わる重大な問題であり、無視できるものではありません。

関係者の手口も巧妙かつ多様化しています。企業が内部告発を受けても、従来の監査手法では重要な情報を得られない場合もあります。 さらに、個人のプライバシー、情報セキュリティ、従業員の権利保護に関する法規制も厳しくなっており、従業員のプライバシー意識の高まりもあって、入手できる情報が限られてきています。 

企業が証拠を発見したとしても、現地捜査当局がこういった事案に関心を示すことは稀で、会社内部の問題として自社で対処するよう求められることがほとんどです。また、まっとうな理由があったとしても従業員を解雇することは法律上も困難です。利益相反が疑われる従業員がビジネスリーダーであれば、その人物を異動させることは事業にとっては痛手となるかもしれません。

企業は、事業の継続性を損なわないようにしながら、法律を遵守し、当該従業員に対処するために必要な手続きをどう行うかが試されています。

事業継続の観点から考える企業の対応策

 このような状況を踏まえ、企業は利益相反の問題を、下記のように戦略的かつ戦術的な観点から検討する必要があります。 

  • 戦略的な観点:利益相反の問題を単なるコンプライアンスや法律の問題ではなく、事業継続の問題として考える。 
  • 戦術的な観点:事業継続のリスクをタイムリーに評価し、リスク軽減計画を策定するための情報調査に注力する。

企業は、以下のようなプロセスで目標を定め、法律に従い段階的に実行することが求められます。

 

<ステップ1>情報調査: 

このプロセスは、法的に利用可能な公開情報を用いた調査や業界調査を通じて、疑われる従業員と第三者企業との間に特別な関係があるか否かを評価することに重点を置きます。外部調査からスタートすることをお勧めします。 その後、問題解決に向けて、もしくは、より多くの情報を得るために、的を絞った内部調査を行うかを判断します。

<ステップ2>フォローアップに向けた計画策定:

 情報調査の結果に基づき、企業が意思決定(ビジネスリーダーの解任や、関係者との協力停止など)を行った後、フォローアップのための計画策定を行います。 事業継続のためには、とるべき対策の調整と社内外のコミュニケーションが不可欠です。そのためには、過去の事件・事案と関係者の予想行動パターンに基づいて、リスクを最小限に抑えるためのシナリオプランニングが重要です。 「ビジネスリーダーが解雇に激しく反応する可能性はどの程度あるのか? 」「彼らを支持し、経営判断に反対する社内関係者が他にいるか?」など の問いは、企業が最も可能性の高いシナリオと最悪のケースを特定し、問題が企業の継続性、従業員、資産、レピュテーションに影響を与える重大危機に拡大する前に対応する戦略を策定するために不可欠です。

<ステップ3>計画実行:

その後、設定された計画に沿った対応を行います。大抵の場合、計画をそのまま実行するのは難しい場合が多いですが、シナリオがよく練られていれば、不測の事態が発生した場合でも、迅速に対応し、事態を収拾することができます。

<ステップ4>回復・再発防防止:

最終的な回復段階では、利益相反問題の解決から得た教訓とインサイトに焦点を当て、それに応じて業務プロセスとガバナンスを改善します。同様の事件が再び発生する可能性を低減させる必要があります。


利益相反に直面する際、多くの企業は関係する従業員に注目しすぎるために、実は問題につながる最も重大な要因である、管理体制や業務プロセスの根本的な問題を見落とす傾向があります。事業継続を重視したアプローチは、利益相反の解決に高い成功率をもたらすだけではありません。組織内の隠れたシステム上の問題(特に第三者の選定、資格、管理)を特定し、それによってプロセスやガバナンスを改善し、将来のリスクを最小化/排除できるという付加価値もあるのです。

 事業継続の観点から見た中国企業の「利益相反」マネジメント

コントロール・リスクスでは、中国に限らず、インドネシアなど東南アジアをはじめ、日本企業が事業展開するあらゆる国において、利益相反の問題に直面する際、一時的な解決だけでなく事業継続の観点から問題の根本解決に向けた包括的な支援を行います。国内外のビジネス・インテリジェンスの専門家が長年の実績・知見を集約し、お客様の問題解決とさらなる成長実現に向けて支援します。国内の案件も承ります。

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